おなかのなかでは、ママとパパの声は「音」として伝わっています

「生まれたらいっぱい遊ぼうね♪ たくさんおしゃべりしようね♪」と、毎日わくわくしながらおなかの赤ちゃんに話しかけているママやパパがいたら、生まれる直前までぜひ続けてあげてください。なぜなら、生まれる3ヵ月頃から赤ちゃんの聴覚は機能していて、ママやパパの声が「音」としてちゃんと届いているからです。
胎内はママの心臓の音などでいっぱいなので、声というよりは「外から聞いたことのない音が聞こえてくるなぁ」というイメージです。低すぎる音は聞こえないので、どちらかというとママの声のほうが聞こえやすいでしょう。
胎教にもちゃんと意味があって、例えばこんなおもしろいエピソードがあります。
●生まれる前からお母さんがくり返し絵本を読んであげた場合に、生まれたあとにそのお話とそうではないお話を聞かせたときに、言葉の意味はわからないけれどおなかのなかで聞いていたほうを好む

●おなかのなかでママの声をたくさん聞き慣れていると、生まれたあとにその音を聞かせたときにそちらを見つめる
●おしゃぶりを使って吸わせたときに、ママの声が聞こえる場合と見知らぬ女性の声が聞こえる場合に、ママの声が聞こえたときのほうがいっぱい吸う
私たち大人が、行き慣れている場所、食べ慣れているものなどに安心感を覚えるように、赤ちゃんも「聞き慣れている音」にはとても安心します。この人の声はどこかで聞いたことがあるな、いつも近くで聞こえていたな…と赤ちゃんが感じることで、ママやパパへの安心感につながるのです。

お話を伺った先生
森口佑介(もりぐち ゆうすけ)先生
京都大学大学院 教育学研究科准教授。発達心理学を専門とし、子どものセルフコントロールや想像力に関する研究を行っている。NHK Eテレ「すくすく子育て」にも出演中!
イラスト:大塚みちこ




















