防災の記事

赤ちゃんとママが、命をつなげるための実践的な訓練・準備・知識を具体的に身につける、それがbabycoの「おやこ防災」大地震や津波、洪水土砂崩れなどの災害babycoでは、会員のみなさまといっしょに「防災」について、学ぶ「おやこ防災72」シリーズをスタートします。
「おやこ防災72」は、さまざまな災害に直面したときに、
どうしたら赤ちゃんや小さなこどもと母親が生き延びることができるか?
を考えて実行できることを目指しています。
72時間を生き延びて、その命を次につなげていくための実践的な訓練や準備、知識を具体的に身に着けていくことです。
防災スーパーバイザー佐伯潤先生が「ほんとうの防災を教えます !」
今回、babycoと一緒に、家族のための防災準備マニュアルを考えてくださるのは、佐伯潤(サエキ ジュン)先生です。
佐伯先生は、国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員。『訓練に勝る防災はナシ』をコンセプトに、数々の企業の防災計画の立案と、計画実施のための訓練設計と教官を務めていらっしゃいます。また、大手スポーツ製品メーカーや消防製品メーカーなどのアドバイザーとして、防災製品の開発にも参加されています。
「防災キットや避難袋を買っておけば安心、揃えておけば命がつながる、ということではありません。それをどんなシーンで使うのか、どうやって使うのかが大事なんです。災害が起きたときにほんとうに役立つ防災準備をお教えします!」
佐伯先生は、企業や塾などで防災の体験講習会を行っていらっしゃるのですが、これがすごく面白いんです!
編集スタッフも何回か参加させていただき、お話を伺ったり有意義な体験をしたら、スタッフ全員が、
「えっ!そうなの!?」
「今までの防災の認識がガラリと変わりました」
と、まさに、目からウロコが何枚もはがれ落ちました!
佐伯さんは、365日24時間、ずっと防災のために研究をつづけている防災スーパーバイザー。今回はbabycoと一緒に、赤ちゃんとママのために役立つお話をしてくださいます。
防災72時間ってなあに?まずは、「72」という数字について。これは、babycoVol.48でもお伝えしましたよね。
主なところでいうと、
●72時間は生存率が急激に下がる時間
土砂くずれやガレキなどの下敷きになったり、ケガをして動けなくなってしまったときに、生存率が急激に低下する境の時間を意味しています。
水がないと3日間、食べ物がないと3週間、これは命を保っていられる時間の目安としていわれているものです。
●72時間で街の混乱が落ち着くころ
災害が起きてから72時間ほど経つと、災害の大きさや被災の様子も少しずつわかってきて、街の混乱も落ち着いてきます。
災害直後はママ自身もパニックしているので、冷静にまわりが見えていないでしょう。家の外がどうなっているのか、避難所の状況はどういうものなのか。家族の安否もまだわかっていない状況です。
これが、72時間を過ぎたあたりから、臨時の電気が普及しはじめてきて、少しずつまわりの状況を見て確認できるようになります。
●72時間経てば避難所が機能し始めるころ
飲み水や食べ物、電気や情報なども届き、避難所が機能し始めるころです。ただ、とても混乱しているので、自宅が無事ならできるだけ家で過ごしていただいたほうが安全でしょう。
直下型の大地震の時、都市部では72時間は帰宅できません!そして、会社で仕事をしているパパやママが帰宅を許され、家族と連絡が取れるようになることも、72時間というキーワードが当てはまります。
「家族とは災害が起きたら、避難所で待ち合わせをしているんだけど、すぐに会えないの?」というご家庭、多いのではないでしょうか。
でも、ご存知でしたか!
東京や大阪などの都市部では、パパやママが会社にいる時間帯に直下型の地震が起きた時に、72時間は帰宅できない条例やガイドラインがあることを。
災害後の道路は大混乱! 歩くのもやっという状況で二次災害の心配も!会社や出張先で仕事をしているパパやママが、災害が起きたらやっぱり、すぐに家族のことが心配になりますよね。安否が気になって、連絡をするものの、なかなか連絡が取れなかったら? すぐに帰宅をしようとするでしょう。
ところが、それをしてはいけないというのです。
その理由を佐伯さんに聞くと
「直下型の地震が起きた後、街はどういう状態になっていると思いますか?
交通はスムーズでしょうか。大きな余震もありますよね。
じつは、災害時にけがや事故に遭う人の多くが、急いで帰宅をする人たちなんです」
大地震などが起きた時の歩道の様子を、佐伯さんの防災講習会で体験をしました。
白いビニールテープで床に囲んだ1平方メートルの中に、大人とこども7〜8人で入ったんです。そこで佐伯さんが言いました。
「はい、これが災害直後の歩道の混雑の状態です」
朝のものすごいラッシュ時の電車やバス、とまではいきませんが、自分のペースで歩くことはできません。ちょこちょこ歩きで前に進む感じです。
「この状態で、道がゆがんだり、道に穴が空いていたり、中には冠水しているところだってあると思います。そんな道をこの混雑さで歩いたら、けがをしたり事故に巻き込まれるなどの二次災害が起きても仕方ないと思いませんか?」
はい、思います! それに、家や家の近くの避難所に着くのに何時間かかるんだろうと。
「覚えていますか? 兵庫県、明石市の花火大会での、あの歩道橋事故を。2001年明石市の花火大会のときに、歩道橋の上で群衆雪崩が起きて大惨事になりました。この時、1平方メートル内には12〜15人が居るという異常な混雑だったと言います」
帰宅者続出で道路が大混乱すると消防車や救急車が現場に着けなくなる恐れもさらに、ほかにも72時間は待機していなければならないことがあるんです。
それは、緊急対応を遅らせてしまわないこと。
「急いで家に帰ろうと、車やオートバイ、自転車を使う人もいるでしょう。歩道に人が溢れたら、道路を歩く人だっています。だから道路も大混雑が予想されるんです。でもね、災害時に火事が起きたら? 病気や大けがをしたら?
そういう人たちを救おうと消防車や救急車が出動しますが、道路が使えなくなってしまうと助けに行かれません」
健康な人たちが、一斉に帰宅をしたら、本当に助けが必要な人たちを救えないと、当たり前のことを教えてくれました。・・・ホントに、ちょっと考えればわかりますよね。
これらのことから、72時間は家族に会えなくても、家にいるママと赤ちゃんで生き延びるすべを身につける必要があると、babycoは考えます。
元気に家族が再会するためにも、この72時間のためにどんな準備が必要なのか、それを使ってどうするのか、災害が起きた時にどう心構えをするのかを
これから、お届けしたいと思います。次の記事はこちら→「おやこ防災グッズ「懐中電灯 このあかりで大丈夫?」
イラスト:小泉直子
babyco編集部

非常用持ち出し袋に入っている懐中電灯!
それって、ほんとうに役立つと思いますか?
どのご家庭にも1つは緊急用の懐中電灯はあると思います。
今年の5月〜7月にかけてとった、babycoの「防災アンケート」でも、
一般的な防災グッズの中には、懐中電灯を入れている方はかなりいらっしゃいました。
でも、ほんとうに停電になったときに、それっていちばん使える照明器具だと思いますか?
一方を明るく照らすのに向いている懐中電灯
懐中電灯とは一点を照らすのに向いているもの。夜道を歩くときに足元を照らしたり、サインを送るときに使ったり、自転車やオートバイのライトのような感じなんです。
ですから、懐中電灯を部屋の中を明るくしたいときに使っても、一方向ばかりが明るくなってしまいあまり便利とは言えません。もちろん、壁に向けて反射させると全体が明るくなりますが、手持ちタイプの懐中電灯なら固定させておかなければなりませんし、光が弱いと暗くて不便で、より不安になります。
それよりも、四方を照らすランタンなどのほうがずっと明るいですし、持ち手が付いていればどこかに掛けることができます。
実際に部屋を真っ暗にしてランタンを使ってみてください。日々の生活で使っている明るさにより近いものを選ぶと、赤ちゃんも小さなお子さんも安心できます。
部屋の中では、あかり=照明器具と考えましょう
部屋の中では・・・
ふだんの生活で使っている照明器具に、懐中電灯のようなビーム状の光を発する照明はどれだけありますか? 停電した家の中で必要なあかりは、部屋全体を照らすランタンや壁にかけられるものがいいと思いますし、安心できます。非常用持ち出し袋に入れておくものは、懐中電灯オンリーではなく、照明器具としてとらえると選びやすいでしょう。
外出時には、両手が自由になるヘッドライトがオススメです!
外出時には・・・
街頭もない真っ暗な夜道を歩くことはあまりないと思いますが、地震が夜に起きて外を歩かなければいけないときのあかりは、ヘッドライトがおすすめです。
両手が空いていれば赤ちゃんをだっこしたり、小さなお子さんと手をつなぐことができます。懐中電灯を手に持って赤ちゃんをだっこしてみてください、とても危険です。ヘッドライトはあらかじめヘルメットに装備しておくと便利ですよ。
こんなふうに、
グッズはどういうふうに何のために使うのかを考えて揃えていますか?
カップラーメンやレトルト食品などを大量に買っておいても、すぐに電気やガスは使えません。災害が起きたとき、生活はどうなるのかをシミュレーションしておくことが大事です。
babycoアンケートで「防災について知りたいこと」を聞いてみると、
「必要な防災グッズ・最低限の準備物」が1位(46%)でした。
防災グッズを選ぶときには、
「何のために使うのか」
「どこで使うのか」を具体的に考えてみましょう。
セットになっているから安心!ではなく、それをどうやって使うのかを考えると、本当に自分の家族に必要なものが見えてきます。
ここでご質問です!
避難所まで、赤ちゃんや小さなお子さんと一緒に
歩いたことはありますか?
p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 17.5px 'A-OTF Gothic MB101 Pr5'; color: #f291c1}半分以上のママが「避難所まで実際に歩いたことがない」との答え
babyco48号でもご紹介しましたが、同じ質問をママたち聞いてみたところ、
半分以上のママが実際に避難所までを歩いたことがない、とのことでした。
「避難所まで、赤ちゃんや小さいお子さんと一緒に歩いたことはありますか?」
2019年5月〜7月babyco1640人アンケート実施
災害が起きたら道路はふだんとは違います。迂回ルートも考えて!これってちょっと良くないんですよね。半分以上の方が、災害を本気でシミュレーションできていないという結果ですから。
災害が起きて避難しなくてはならなくなったとき、避難所までスムーズに着くことはないと思ってください。
道路には人があふれ、足場が壊れ、水道管も破裂し、ブロック塀がくずれて道がふさがれることもあります。さらに、道路はどこも避難する人と車であふれています。
そんな中で、赤ちゃんや小さなお子さんを連れていくのには、かなり時間がかかり体力も使い果たします。
また一度、実際に非常用リュックを避難所まで背負って行ってみてください。
不安だからといって、何でもかんでもリュックに入れると重くて背負えないことがわかるはずです。そこで初めて、必要なものと不必要なものを考えてみましょう。
前にも言いましたが、突然の災害に困らないようにグッズは使ってみて、避難所へは実際に行ってみるなど、訓練を重ねることでつながる命があることを知ってほしいと思います。
赤ちゃんとママが生き延びるために必要な
「防災グッズ」についてコラムをこれからアップしていきます!「防災」といえば、いちばんわかりやすいのが「非常用のグッズの準備」や「備蓄」ですよね。babycoの防災アンケートでも、
「赤ちゃんとママに必要な準備グッズを知りたい」が1位でした!
電気、水道、ガスなどのライフラインがストップしてしまった時にも、最低限に揃えておきたいものがあります。
最近は、防災グッズ一式としてリュックごと購入することができるのでとても便利になりましたが、ほんとうの災害が起きた時に使えるかどうかは、使う人と使う場面次第!
これから、赤ちゃんとママが生き延びるために必要な「防災グッズ」の選び方を佐伯先生に教えていただこうと思います。
佐伯潤先生プロフィール
国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員。
『訓練に勝る防災はナシ』をコンセプトに、数々の企業の防災計画の立案と、計画実施のための訓練設計と教官を務めていらっしゃいます。また、大手スポーツ製品メーカーや消防製品メーカーなどのアドバイザーとして、防災製品の開発にも参加されています。
イラスト:小泉直子
babyco編集部

台風15号は千葉県を中心に長期にわたる停電被害をもたらしました。
被災した方々、また、現在も停電の影響下にある方々には、一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。
10月に入りましたが、来週の三連休(12日・13日・14日)も台風19号の到来が心配されています。昨年も10月下旬まで台風が猛威をふるい、まだまだ台風情報に注意が必要です。
台風だけでなく、災害についてまわるのが「熱中症、脱水症のリスク」です。
今回の千葉県の大停電でも、多くの方が熱中症で体調を崩し病院に搬送されました。それでもまだ、わたしたちは「熱中症・脱水症」を他人事にとらえてしまうところがあります。
そこで、今回は熱中症・脱水症が災害と結びつくとどうなるのか、について考えてみたいと思います。
ちょっと時期外れと思われるかもしれませんが、熱中症は30度を超えなくても警戒しなくてはならないものなんです。とくに台風の前後は、湿度も上がるので要注意です!
熱中症・脱水症はケガと同じ状態なんです人の命が失われる原因とはなんでしょうか。それは大きく分けて3つあります。神経系、呼吸器系、循環器系の3つです。言葉にするとむずかしいので臓器で覚えておきましょう。
神経系=脳 呼吸器系=肺 循環器系=心臓 の3つです。
これらの臓器がつかさどるからだの動きに不具合が生じると、人の命が失われます。覚え方としては、これらの3つの臓器だけは、頭蓋骨と肋骨の「骨」によってガードされている点に注目しておきましょう。
神経系は、交通事故や墜落によって、首の骨を折ってしまった場合など、脳が身体をコントロールすることができなくなることが問題です。
呼吸器系は、窒息によって呼吸ができなくなるなど、肺が酸素を取り込むことができなくなることが問題です。
そして、循環器系は、酸素を血液にのせて体のすみずみへ届けることができなくなり、細胞が死んでいくことが問題です。
さて、熱中症、脱水症はこの3つのどれに当てはまるのでしょうか。
熱中症は、循環器系の問題です!
からだから水分が失われることで血液の流れも悪くなって、循環器系に問題が生じます。循環器系の問題で徐々に生命の危機へとつながっていく点では、熱中症・脱水症は出血と同じ類の問題なのです。
からだから血を流していて放っておく人はいるでしょうか? また、血を流さないように、ケガには充分に注意しているはずです。熱中症・脱水症ケアというのは、このような出血ケアと同等に行っていただきたいものです。
赤ちゃんもママも
災害時の熱中症・脱水症に注意を先の台風15号の影響で、9月9日から15日から1週間の間に千葉県内での熱中症による救急搬送は498名と全国最多でした(総務省消防庁9月18日速報)。また、千葉県内で熱中症によって3名の方が亡くなりました。
でも・・・これが、大地震などで負傷した方々で、すでに病院がいっぱいだったら、あるいは、病院自体がひどい被害を受けていて機能していなかったら、どうでしょうか。
熱中症、脱水症は高齢者だけに起きるものではありません。体の機能がまだ整っていない赤ちゃんもまた、熱中症や脱水症になりやすい年齢です。
とくに赤ちゃんは、お水をたくさん飲むことができませんから「どうやって水分補給をしたらいいの?」というお母さんがとても多いんです。
では、災害時の熱中症・脱水症は
どのようにして起きるのでしょう?いくつかの代表的な原因を挙げます。
1.災害対応による興奮状態やストレスで水分補給や休憩を忘れてしまう。
2.トイレが混んでいる・汚いなどの理由で用便がおっくうになり、トイレに行かなくていいように水分摂取を控えてしまう。
3.ストレス、疲労
4.水(真水)ばかり飲んでしまう。
ほかにも様々な因果関係があります。
赤ちゃんの場合は
①長時間水分補給をしていない
②気温と湿度が高い場所(屋内も屋内も)に長い時間居て疲れている
③睡眠不足
④食欲不振 など
いろいろな意味でストレスがかかっているとき。
いずれにしても、おとなも赤ちゃんも普段から水分をとる習慣をつけておくことも重要です。
おとなは、トイレに行ったときに自分のおしっこを観察してみてください。色が濃かったり、臭いが強いおしっこは、比較的水分補給が充分でない傾向と言われています。ためしに、そのことに気が付いたら意識的に水分やノンカフェインのお茶などを摂取してみてください。半日から1日程度でおしっこの色が薄くなるようでしたら、水分摂取状態が正常に戻ったというサインであり、同時に、ふだんの水分摂取の習慣をもう少し意識したほうがいいかもしれません。(※ただし、個人差があります)
赤ちゃんなら、おしっこの回数を考えてみてください。いつもよりも少なかったら、すぐに水分補給を行いましょう。
真水のキケン!?先の原因の4番目に水(真水)ばかり飲んでしまう、という項目を挙げました。これは災害時の水分補給で気をつけて頂きたい項目です。
人は汗をかくことでも水分を失います。これは暑い日に熱中症になる原因の一つですが、汗によって水分以外にミネラルなど体の機能維持に必要な要素も失います。この失われたミネラルなどは、ふだんの時なら食事などで補給することができます。
でも、災害時には満足に食事ができない場合がありますよね。そうなると、からだの中でミネラル不足が生じます。このような状態で真水ばかりを摂取してしまうと、体液が薄くなっていってしまうんです。すると、からだは体液の濃度を調整して機能を維持しようとするために、利尿作用がはたらき、おしっこで余分な水分を排出しようとします。
とくに災害時の水(真水)の摂取は脱水症を悪化させるというデータもあります。
熱中症・脱水症予防に
経口補水液を持ち歩いたり、
非常用袋にいれてほしいです
そのため、災害時や、あるいは熱中症・脱水症の危険のある暑い日などには、塩分や糖分が摂れるスポーツドリンクや「OS-1」などの経口補水液が推奨されています。
経口補水液は水1リットルに対して、砂糖40g、塩3gを混ぜることで簡単に作ることができますが、いつも砂糖や塩を持ち歩いているわけではありませんし、計量も面倒です。そもそも手製の経口補水液は飲んでおいしいというわけでもありません。
ペットボトルでOS-1を持ち歩くのも、荷物の多いママには負担になってしまうこともあるでしょう。
最近はOS-1のパウダータイプもあり、これは、ペットボトルの水に溶かすだけなので、便利で、かつ、持ち歩いていても邪魔になりません。熱中症・脱水症の備えとして、考えてみてはどうでしょうか。
熱中症の症状と対策!
赤ちゃんの水分補給はどうやってするの?
赤ちゃんの熱中症・脱水症のおもな症状は
●ぐったりしている
●泣き声がいつもより小さい
●おしっこが数時間出ていない
●からだが熱い
●顔色が青い・白い
●くちびるが紫色 など
こんな症状がみられたら、熱中症や脱水症をうたがいましょう。
体調がおかしいなと思ったら、こんな熱中症対策を!
★冷ました白湯
★麦茶
★乳児用経口補水液
などスプーンで少しずつ飲ませてみてください。母乳でもいいですよ。
上の症状は、熱中症・脱水症だけでなく、同じ循環器系の問題である内出血やエコノミークラス症候群などでも見られる場合もあります。
水分補給をしても改善が見られない場合はもちろん、体調が回復しても、かならず医師の診断を受けてください。
監修:佐伯潤
国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員。『訓練に勝る防災はナシ』をコンセプトに、数々の企業の防災計画の立案と、計画実施のための訓練設計と教官を務める。また、大手スポーツ製品メーカーや消防製品メーカーなどのアドバイザーとして、防災製品の開発にも参加。各種研究機関や専門家とともに災害プロジェクトを立ち上げ活動している。
babyco編集部

ママと子どもの災害対策 〜事前の対策で火事から家族は守れる〜こんにちは!babycoのママ編集Rです。
今年、台風や豪雨などの自然災害で日本のさまざまな地域が大きなダメージを受けました。
子どもを抱っこしながらその様子をニュースで観て、テレビごしに被災地の方々のお話しを聴いていると、親として、「ひとごとではないな…わたし自身災害に遭ったらどうしよう。。子どもを連れてちゃんと安全な場所に逃げられるのだろうか…」と不安に駆られました。
そこで今回は、「災害時に発生する火事」をテーマに消火訓練をしながら、多くの被災地で救援活動をされている防災スーパーバイザーの佐伯先生に、災害時にママができることや事前にできる対策の取材をしました。
災害で命をなくす理由の70%が火事。
実は、火事は、あらゆる自然災害の”二次災害”として起こるんです!
地震や津波、台風などの災害が起こると、それにより傷つけられた電線からの漏電やショート、またはガス漏れなどが原因で出火。
さらに発火後10分とたたないうちに、天井付近の空気温度は300〜800℃前後まで上昇し、この空気を吸い込むと気道熱傷で喉の気道が腫れ上がり窒息してしまいます。
また逃げ道を失った人は火災現場で一酸化炭素中毒であっという間に気を失い倒れてしまうのです。
火事は目に見える炎よりも、目に見えない気体や煙に様々な危険が潜んでいるんです。実際に多くの人たちが、こういった火事を理由に亡くなっています。
(※中央防災会議の首都直下型地震の想定値より)
火事はとにかく事前の対策がキーになる。
「自然災害である地震や津波とは違って、火事にはなにか原因となる出火元があって起こるのです。その原因を取りのぞくことで火事の発生率をグッとさげることができる」と先生は言います。
「うちでは火事は起きないだろう…」と思い込んで安心していてはいけません!実は家の中には、あらゆる危険ポイントが隠れていて、気づいていない方がとても多いのです。この機会に改めて確認してみてください。
家の中には火事の原因になるものがたくさん!?
たとえば、リビング。
仮に地震がおきて、テレビのコンセント口から火花が散ったとき、テレビの下にたまっているホコリに引火してしまったら…と想像してみてください。
さらに、災害後も出火が見られないからといって安心はできないのです。見えないところで電化製品のコードがダメージを受けていて、皮膜の中で電線が熱を持ち発火。周辺のものに引火し「通電火災」に発展してしまうこともあるのです。
「電源コードは火災原因になると考えできるだけ抜いておくようにする」など、家の中にある『火事防止ポイント』をきちんとおさえておくことが必要だと教えていただきました!
<<<家の中の『火事防止ポイント』>>>
●ドライヤー、テレビ、電子レンジ、ストーブなどのプラグはコンセント口から使用時以外はぬいておきましょう。
●避難時にはかならずブレーカーをおとす
●避難先から戻ってきたら、ブレーカーを戻し通電する前にコンセント口からをすべてのプラグを抜いておく
●ブレーカーを部分ごとに通電させながら、プラグをコンセント口に差し込んでいき、変な音や発熱、異臭がしないかを確認
●ガスの元栓は、避難時には必ず閉める
●タバコの吸い殻の火は、ちゃんと消えているか確認
あわててしまっては家族を守れない。
予想外のタイミングで災害はおこる。だからこわいんですよね。でもそんなときに、ママたちはあわててもいけないし、どうにかなるだろうとのんきになっていてもいけません!
とにかく自分の安全を確かなものにしたうえで、しっかりと対策をし、お子さんを守ってあげられるように心の準備をしておきましょう。
火事で役立つ5つのポイント
今回の災害対応訓練で学んだことを、火事で役立つ5つのポイントとしてまとめてみました。参考にしてください。
【Point 1】消火器の確認と使い方のシミュレーションをしよう消火器の場所を家族みんなで確認し、使い方もシミュレーションしておきましょう。実際に火事が発生しても、火が大きくなってしまう前に、速やかに対応し消火できる可能性が上がります。
<Check!!!>
※家の中には消火器を必ず置いておいてください。緊急時の対応をさらに早くできるようになります。
※火事現場に消火器があっても取りに行けないため、出火元になりそうなキッチンなどの火災がおきそうなところは避け、火事が起こりづらそうで出火元へのアクセスしやすい場所を選んで置いてください。
【Point 2】パパかママがリーダーになろう!火事発生時、みんながバラバラの行動をとるとその場がパニックになってしまいます。家族の中心となってみんなを先導できるようにパパかママのどちらがリーダーになるか決めておきましょう。
<Check!!!>
※リーダーは、大きな声で「いまは◯◯◯をしよう!」「あっちへ逃げよう!」などと安全な場所に導いてあげる。
【Point 3】火が大きくなったら、まずはしゃがんで!とにかく火事にあったときには、低姿勢または這うようにして安全なところへ逃げるのを心がけてください。熱い空気は上の方へのぼるので、うっかりこの熱い空気を吸い込んでしまうと、気道がふさがり窒息してしまうのです。
<Check!!!>
※火が消えても、有毒ガスや熱気はすぐにはなくなりません。油断して立ち上がらず、安全な場所に行くまでは、あやまって吸い込んでしまわないように低姿勢を保ちましょう。
【Point 4】乳幼児を連れたママの避難方法を知っておこう!赤ちゃんの口と鼻に水で濡らしたタオルを苦しくないように当てて、ガスを吸い込んでしまうのを防いでください。
<Check!!!>
※火事が発生するとあっという間に煙が広がってしまうこともあるため、無理に濡らさず、口と鼻を乾いたタオルでガードしてあげるだけでもかまいません。
※赤ちゃんとママのおなかが向き合うような抱き方をし、まめに様子をチェックする。
【Point 5】厚手のグローブを着けて逃げよう!火事が起きたら、壁をつたって逃げるようにしてください。煙が充満すると、火災現場は暗くなり転倒してしまう危険性があります。このとき、火災現場の壁は非常に熱くヤケドをしてしまう可能性が高いため、厚手の手袋を着用するようにしてください。
<Check!!!>
※赤ちゃんと避難する場合は抱っこ紐をつかうようにして、できるだけ手を空けておくようにしましょう。
家族の結束が何よりも重要
日頃から家族みんなで防災意識を高め、結束力を強化し、万が一の災害に備えた話し合いやシミュレーション訓練を行っておくことで、火事によるダメージを減らすことができます。
火事が起きて家族が傷ついてしまわぬよう、ママから家族にお話ししておいてあげてください。babycoはこれからも大切な家族を守る防災取材に取り組み、みなさまにお伝えしていきます。
今回のこの取材が、少しでもみなさんのお役に立てたら嬉しいです。
<監修>
佐伯 潤 先生
<Profile>
国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員。
「訓練に勝る防災はナシ」をコンセプトに、数々の企業の防災計画と、計画実施のための訓練設計の教官を務める。
babyco編集部

防災グッズや防災セットを買っておけば命がつながるということではありません!今回、babycoと一緒に、家族のための防災準備マニュアルを教えてくれるのは佐伯潤先生です。国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員。東京都の防災プロジェクトを始め、数々の企業の防災計画の立案と、計画実施のための訓練設計と教官を務めている防災のスーパープロフェッショナル。佐伯先生の防災学は、リアルな災害のときを想定した本当に役立つものばかり。目からウロコの情報は必見です!
防災グッズ 懐中電灯のあかりはそれで大丈夫だと思いますか?防災グッズ、といって真っ先に思い浮かぶのが懐中電灯。どのご家庭にも1つは、防災セットの中に入っていると思います。
では質問です。みなさんはご自宅にある懐中電灯をどんな基準で選んでいますか? ほんとうに停電になったときに、それをいちばん使える照明器具として考えたほうが災害のときも安心できます。
懐中電灯のはなし→https://babyco.co.jp/bousai/ShaSbK24/
避難所まで赤ちゃんと一緒に歩いたことはありますか?避難所の場所は知っていても、そこまで実際に歩いたことがあるママパパはどれくらいいますか? 防災グッズや防災セットだけが防災の備えではありません。地震、台風・大雨による洪水や土砂崩れ、津波などが起きたとき、そこまでスムーズに歩いて行かれるでしょうか。
続きはこちら→https://babyco.co.jp/bousai/ShaSbK24/
赤ちゃんとママが72時間を生きのびる防災の備えと知識大地震や津波、洪水土砂崩れなどの災害babycoでは、会員のみなさまといっしょに「防災」について、学ぶ「おやこ防災72」シリーズをスタートします。防災のプロでスーパーバイザーの佐伯先生の、ほんとうに使える防災グッズの選び方使い方、避難のルートや避難所のこと、災害情報の得かたなど、災害時の備えから心のケアまで、必要なテーマに沿って記事をアップいたしますので、ぜひチェックしてくださいね。
直下型の大地震のとき、都市部では72時間は帰宅できません!「家族とは災害が起きたら、避難所で待ち合わせをしているんだけど、すぐに会えないの?」というご家庭、多いのではないでしょうか。でも、ご存知でしたか!
東京や大阪などの都市部では、仕事をしているパパやママが会社にいる時間帯、直下型の地震が起きた時に、72時間は帰宅できない条例やガイドラインがあることを。また、この「72」には他にも重要な意味があります
「72」の意味→https://babyco.co.jp/bousai/OmjBAwtk/
災害後の街も道路も大混乱! 歩くのもやっとで二次災害の心配も災害のときに備えておかなければいけないのは、防災グッズや防災セットだけではありません。「直下型の地震が起きたあと、街はどういう状態になっていると思いますか? 交通はスムーズでしょうか。大きな余震もありますよね。大地震などが起きたときの歩道の様子を、佐伯さんの防災講習会で体験をしました。
続きはこちら→https://babyco.co.jp/bousai/OmjBAwtk/
二次災害でもっとも気をつけたい「火災」災害時の火災対応訓練に行ってきました!
地震や津波、台風などの災害が起こると、それにより傷つけられた電線からの漏電やショート、ガス漏れなどが原因で出火をします。それが災害でもっとも危険な二次災害です。
そこで今回は、「災害時に発生する火事」をテーマに消火訓練をしながら、多くの被災地で救援活動をされている防災スーパーバイザーの佐伯先生に、災害時にママができることや事前にできる対策の取材をしました。
家の中には火事の原因になるものがたくさんある!?たとえば、リビング。地震がおきて、テレビのコンセント口から火花が散ったとき。テレビの下にたまっているホコリに引火してしまったら…と想像してみてください。
さらに、災害後も出火が見られないからといって安心はできないのです。見えないところで電化製品のコードがダメージを受けていて、皮膜の中で電線が熱を持ち発火。周辺のものに引火し「通電火災」に発展してしまうことがあります。
家の中の火事の原因になるポイント→https://babyco.co.jp/bousai/49aRqR9F/
台風など災害時の熱中症対策!2019年、関東地方に上陸した台風15号が千葉県に家屋倒壊や大規模停電など、大きな被害をもたらしました。この時に、長期にわたっての停電で、多くの方が「熱中症」で病院に搬送されました。とくに赤ちゃんや小さなお子さんには、いのちにもかかる「熱中症」や「脱水症」。台風は、年々規模やパワーが破壊的な大きさになっています。台風も防災!この認識をしっかり持って、台風時の防災も心がけていきましょう。
熱中症・脱水はケガと同じくらいダメージが強い「熱中症」「脱水症」は、からだから水分が失われることで血液の流れも悪くなって、循環器系に問題が生じます。循環器系の問題で徐々に生命の危機へとつながっていく点では、熱中症・脱水症は出血と同じ類のものなんです。
からだから血を流していて放っておく人はいるでしょうか? また、血を流さないように、ケガには充分に注意しているはずです。熱中症・脱水症ケアというのは、このような出血ケアと同等に行っていただきたいものです。
→https://babyco.co.jp/bousai/ltxuanQD/
熱中症の症状と対策! 赤ちゃんに大事な水分補給とは!赤ちゃんの熱中症・脱水症のおもな症状です。参考にしてください。
●ぐったりしている
●泣き声がいつもより小さい
●おしっこが数時間出ていない
●からだが熱い
●顔色が青い・白い
●くちびるが紫色 など
こんな症状がみられたら、熱中症や脱水症をうたがいましょう。
熱中症対策はこちら→https://babyco.co.jp/bousai/ltxuanQD/
~特集のまとめ~家族のいのちを守るために、知っておきたいほんとうに必要な防災の備えBOUSA
baycoの防災「おやこ防災72」は、さまざまな災害に直面したときに、
どうしたら赤ちゃんや小さなこどもとママが生き延びることができるか、
を考えて実行できることを目指しています。そのためにも、ほんとうに必要な防災グッズの選び方や使い方、避難のし方、家族との連絡の取り方、ケガや体調不良時の行動など、準備と訓練が必要です。
大事なのは、災害で遭遇する様々なシーンを想定すること。うわさ話や口コミ話に踊らされることなく、自分と自分の家族の命を守るために何がほんとうなのかを知ることで命がつながっていきます。
babyco編集部













