赤ちゃんの体のことの記事

ママたちの疑問から、ベビーのからだのしくみや機能について、医学博士で小児科医の榊原先生に教えていただきました!頭でっかちでまるっこくてかわいいのはなぜ?赤ちゃんは、見た目にも頭でっかちですよね。大人は胴長といわれる人でも6頭身、または7頭身、8頭身ほどですが、子どもは3頭身くらい。それに、全体的にまるっこくてかわいい♡ まるっこいのは、筋肉の量が少なく、脂肪量が多くてぽっちゃりしているからそう見えるのだと思います。ローレンツという学者によると、私たち人間は、本能的にまるっこいものをかわいいと感じるようにできているそうです。そういえば、よその赤ちゃんでも、見るとかわいく思えてつい笑いかけてしまいますよね。生まれてから1年の間の脳の成長は驚くほど早い!脳の重さは、最初は約300gですが、4〜5歳でほぼ大人と同じくらいの約1200gになります。この成長スピードはほかよりもずっと早く、また、相対的に脳はからだに対して大きいのです。それは、神経系を最優先に発達、活動させるためと考えられています。1年間で身長は約25cmアップ! 体重は約3倍に!人生で一番早く身長が伸びるのが乳児期。生まれてから1年間で約25cm伸びます。逆立ちしようが、カルシウムを摂ろうが、こんなに伸びるのはこの時期だけ! 体重は1年間で約3倍に。でも身長も体重も個人差がありますから、母子手帳の発育曲線から大きく外れていなければ心配はいりません。体重1kgあたり、120〜150kcalが必要です赤ちゃんはからだを動かすためにたくさん食べなければなりません。体重1kgあたりが必要とするカロリーは、大人40kcalに対して赤ちゃんは120〜150kcal。なんと、大人の4倍必要なのです。生まれたては、からだがぐにゃぐにゃ通常、私たちは、座っていれば座ったなりに背骨が伸び、立っていれば背骨がすっと伸びていますよね。でも、生まれたばかりの赤ちゃんは筋肉量も少なく、筋肉の働きも弱いので、ぐにゃっとしているように感じるのです。寝ている姿は「W&M」の格好赤ちゃんの手足は曲がっています。引きで見ると、両腕はW、両足はMのような格好をしています。このユニークなスタイルが、寝ているときの姿勢です。\はじめての子育てをがんばるママへ!/身長も体重も個人差がありますが、体重の増減、身長の伸びの停滞はこの成長期には見逃せません。1年間は1ヵ月に一度計測し、母子手帳などにある発育曲線表に記入してみましょう。もしも曲線から大きく外れることがあれば、小児科医に相談しましょう。お話を伺った先生榊原 洋一(さかきはら よういち)先生東京大学医学部卒業。医学博士。小児科医。日本子ども学会理事長。お茶の水女子大学名誉教授。小児神経学や発達心理学を専門とし、主に子どもの発達や発達障害に関する研究を行っている。著書も多数。イラスト:achaca
babyco編集部

顔を向けて手足を伸ばし、好奇心旺盛!赤ちゃんはベッドでねんねしているだけで、何にもしていない…と思うのは間違い! 見たり、聞いたり、においをかいだり、味わったり、触ったりしながら「自分」「他人」「もの」といった、赤ちゃんをとりまく3つの要素を『認知』しているのです。興味のあるもののほうへ顔を向けたり、手足を伸ばしたりと、脳はフル回転! ここからもう、筋肉運動がはぐくまれるんですね。頭蓋骨がくっついていなくても大丈夫…?多くの赤ちゃんは、産道を通ってくるときに頭を先頭にして出てきます。そのため、頭蓋骨が少し変形できるようになっているんです。頭蓋骨のすきまは、外から押すとペコペコと凹みますが、髪の毛を洗うときに気にしすぎることはありません。やさしくなでるようにしてくださいね。キラキラおめめは、心が澄んでいる証拠?瞳のキラキラは、光が反射しているからだと考えられます。涙が出たら鼻涙管(びるいかん)というところから吸収されて鼻のほうに抜けるのですが、赤ちゃんはその部分が閉じぎみの子が多く、涙が少したまりやすいんです。そのために、いつも目がうるうるしているように見えるわけです。髪の毛の量の多い・少ないはバリエーションと思って!生まれたては髪の毛が生えていなかったり、逆にフサフサで逆立っていたりするかもしれませんが、これはバリエーションだと思ってくださいね。将来にはまったく関係ありません。よだれは体内の毒…ではありません!よだれは消化液や唾液です。いつもたくさん出てびちゃびちゃになっている子もいれば、そうじゃない子もいますが、たくさん出る理由はまだわかっていません。よく、体内の毒を出していると勘違いするかたがいますが、それは間違いです。基本的にベビーは近視で、色彩もぼんやり赤ちゃんの視力は、大人でいうといわゆる近視。目の前の20〜30cmにあるものや顔は見えますが、ちょっとぼやけています。色彩も少しわかりにくいのではないか、ということがわかっています。大人ほどの視力になるのは、生後6ヵ月くらいです。生まれてしばらくは鼻呼吸。鼻づまりにご注意!赤ちゃんは基本的に鼻呼吸だけです。くち呼吸は絶対できないわけではないのですが、くちで呼吸することをあまり知りません。ですから、鼻づまりになると赤ちゃんはとてもつらくなります。鼻がつまったら、しっかり吸い出してあげてくださいね。ママの声のほうを向くのは、聞き慣れているから♡生まれたばかりの赤ちゃんに、ママと、ママに声が似ている女性が同時に声をかけると、やっぱりママの声のほうを向くというのがあります。それは、自分のママとわかっているからではなく、聞き慣れているからと考えられています。\はじめての子育てをがんばるママへ!/まだおしゃべりできない赤ちゃんにとって、気持ちを伝える手段は「泣くこと」。おなかがすいた、暑い、寒い、ねむい、おしりがぬれて気持ちが悪い、だっこしてほしい、さみしいな、痛いな、理由はないけど泣きたいよ〜など…。夜泣きをはじめ、赤ちゃんが泣く理由は現代の科学でもいまだに解明できていません。それでも、成長とともに必ず泣きやむことがくるので、今はがんばって!お話を伺った先生榊原 洋一(さかきはら よういち)先生東京大学医学部卒業。医学博士。小児科医。日本子ども学会理事長。お茶の水女子大学名誉教授。小児神経学や発達心理学を専門とし、主に子どもの発達や発達障害に関する研究を行っている。著書も多数。イラスト:achaca
babyco編集部

関節がやわらかく、皮膚もふわふわ♡
赤ちゃんをあおむけに寝かせると、手足は屈曲していて、大人とは大きく違いますよね。手足が曲がっているのは、ママのおなかのなかで小さくまるまっていたからです。
からだを触ってみるとふわふわしているのは、皮下脂肪の厚さがあり、筋肉量が少ないからそう感じるんでしょうね。
からだを触っていると心音が早いなと思うでしょう。赤ちゃんの心臓は大人よりも小さいので、1回に送り出す血液量が少ないんです。だから回数を多くして、補っているのです。
蒙古斑は、背中や肩に出ることもあります
蒙古斑は、赤ちゃん特有の青あざのこと。黄色人種のほとんどの子のおしりや肩、背中に現れますが、正常のものであれば成長とともに薄くなっていきます。
首すわりから、からだの中枢が発達します
・赤ちゃんの腕をかるく引いて起こしたときに頭がグラつかない
・からだを傾けたときに顔が並行になる
など、からだの軸に合わせて頭をコントロールすることを「首がすわる」といいます。
発達していく過程で、からだのなかで「反射の中枢」が次第にできあがっていくと首がすわるようになり、寝返りができるようになります。やがて、おすわりもできるようになっていきます。
3ヵ月くらいまでは、よく吐き戻します
生後3ヵ月くらいまでは、せっかく飲んだミルクを吐いてしまうことがありますが、特に病気もなくご機嫌なら心配はいりません。これは、胃の入り口で逆流を防ぐ噴門(ふんもん)が未発達だからです。
関節は外れやすいのでご用心!
赤ちゃんの関節は大人よりもまだやわらかいので、強く引っ張ったりすると外れやすいというのは本当です。腕があがらなくて泣きやまないようなら、診察を受けてください。
ぽっこりおなかがトレードマーク!
赤ちゃんのおなかはぽっこりと出ていますよね。これは、腹筋が薄く、胃などの内臓がふくらむとそのままおなかの形に影響してしまうためと考えられています。胃の大きさは相対的に大人とあまり変わらないのですが、なにしろ大食いなので、食べるとぽこっと出やすいのだと思います。
O脚は少しずつ治ります。無理に引っ張らないで!
生まれたばかりの赤ちゃんは、O脚でガニ股ぎみ。でも、これが自然体なんです。O脚を治そうと、足を無理やり引っ張らないでくださいね。
ベビーは汗っかき?
汗腺の量は、大人とそう変わらないといわれています。では、なぜ赤ちゃんは汗っかきなのでしょう? それは、「体表面積」が関係しています。発汗量は「体表面積」に比例します。だから、大人と同じ量でも体表面積が小さいので1か所の面積あたりからたくさん出るというわけです。
ゆるめのうんちは代名詞?
ゆるめのうんちは、母乳や離乳食の赤ちゃんにはよく見られます。でも、下痢が続いたり元気がない場合は、感染症にかかっている可能性がありますので医師に診てもらってください。
\はじめての子育てをがんばるママへ!/
赤ちゃんの膀胱は、容量が20mlほどなので溜めておくことができません。そのため、場所や時間を選ばずにおしっこをします。また、便意をもよおすと赤ちゃんは我慢しないのでうんちが出ます。
●1日のおしっこの回数:15〜20回くらい
●1回のおしっこの量:5〜20ccくらい
●1日のうんちの回数:2〜10回くらい
●1回のうんちの量:5〜15gくらい
お話を伺った先生
榊原 洋一(さかきはら よういち)先生
東京大学医学部卒業。医学博士。小児科医。日本子ども学会理事長。お茶の水女子大学名誉教授。小児神経学や発達心理学を専門とし、主に子どもの発達や発達障害に関する研究を行っている。著書も多数。
イラスト:achaca
babyco編集部

うまれたての息子を上手にだっこできない!?
生後3ヵ月頃までは、まだ赤ちゃんは体と頭を直線状態に保つことができません。首がすわる3ヵ月半頃からまっすぐ保てるようになるので、だっこしてもしっかりとしていられます。
クリック▶︎新生児が安心できる正しい抱き方や、けんしょう炎になりにくい抱き方についてはこちら
生後2週間なのに笑った♡ もうママってわかるの?
生まれたての赤ちゃんは近視の状態で、20〜30cmの距離でうっすらと顔のりんかくが見えます。4〜5ヵ月頃で人が近くに来ると笑いますが、まだママと他人の顔の見分けはよくできません。
指を出したらにぎってくれた! パパのことが好きなのかな?
生まれてからしばらくの間、赤ちゃんは「把握反射」という反射が残っているので、手のひらに何かが触れると無意識につかむのです。
クリック▶︎ほかにもいろいろ!「赤ちゃんの原始反射」について、知っておこう!
寝ているときに360度近く回るのはなぜ?
赤ちゃんの睡眠時間の半分はレム状態(浅い睡眠の状態)。レム睡眠のときは半分覚醒した状態ですので、体をよく動かします。そのため、回転したりするんです。
お話を伺った先生
榊原 洋一(さかきはら よういち)先生
東京大学医学部卒業。医学博士。小児科医。日本子ども学会理事長。お茶の水女子大学名誉教授。小児神経学や発達心理学を専門とし、主に子どもの発達や発達障害に関する研究を行っている。著書も多数。
イラスト:achaca
babyco編集部

重力に対抗できずに、ぐにゃっとまるっこくなる!1歳までの子どもの特徴は、歩いたり、手を伸ばしたり、物を触ったりと、健康な大人ができるような随意的な運動がほとんどできない状態からできる状態に変わっていく過程にあります。例えば、座っているときは背筋が伸びていますよね。これって、背骨の両側の筋肉がピッと張っていて重力に対抗しているので、姿勢が伸びているわけなんです。人間はこのことを特別に意識せず、自然と重力に対抗する動きができていますが、乳児期はこういう運動があまりできません。ベビーは、頭が大きく、胴体がそれに対して短い体をもっています。そして、重力に対抗する筋力がまだついていないので、重力に対抗できずにぐにゃっとまるっこくなっているんです。ベビーをだっこしようとして、脇の下に手を入れてそのまま素直に持ち上げるとどうなると思いますか?正解は、そのままスルリとパパやママの手から抜けてしまいます!それは、全体的に筋肉量が少なく、持ち上げようとする力に対してそれに対抗する力がないためです。お話を伺った先生榊原 洋一(さかきはら よういち)先生東京大学医学部卒業。医学博士。小児科医。日本子ども学会理事長。お茶の水女子大学名誉教授。小児神経学や発達心理学を専門とし、主に子どもの発達や発達障害に関する研究を行っている。著書も多数。イラスト:achaca
babyco編集部

猛スピードで体を作っているから、ベビーは大食い!
プニプニ、ふわふわでやわらかなベビーの体。赤ちゃんの成長スピードは、1年間で身長が約25cm伸び、体重はなんと3倍に! この成長速度は、人生のなかでもっとも伸びる時期なのです。
こんなに猛スピードで成長するベビーにとって、食事から得るエネルギーは必須。体は小さいですが、その大きさに比べて胃はさほど小さくありません。1日3食では足りないくらい!
もちろん、量は少しずつですが約3時間おきにずっと食事をしているんです。つまり、1日8食くらいはごはんを食べていることになりますよね。そう、実はベビーは大食いなのです。
人間の体を作るために、体重1kgあたりが必要とするカロリーは
●大人:体重1kgあたり40kcal
●赤ちゃん:体重1kgあたり120〜150kcal
と、なんと大人の4倍必要!
大人は体を動かすために食べてエネルギーを使いますが、これからグングン成長して身長、体重ともに大きくならなければならない赤ちゃんは、体を作るためにモリモリカロリーを摂る必要があるのです。
お話を伺った先生榊原 洋一(さかきはら よういち)先生
東京大学医学部卒業。医学博士。小児科医。日本子ども学会理事長。お茶の水女子大学名誉教授。小児神経学や発達心理学を専門とし、主に子どもの発達や発達障害に関する研究を行っている。著書も多数。
babyco編集部

脳を大きく早く成長させて、からだのあらゆる器官をはぐくむため母乳の栄養の豊富さは、もうご存知ですよね。ビタミン、ミネラル、たんぱく質、脂質などが見事にバランスよく含まれていて、「こんなに栄養価の高い食品はほかにあるのかな!?」というくらい、母乳の栄養は優れています。では、なぜ赤ちゃんは栄養たっぷりなものを食べる必要があるのでしょうか?大人はもうからだが完成しているので、好きなものを食べたり、同じものを「ばっか食べ」したりしてもなんとかなります。食事=からだを動かすエネルギーのもとなのです。しかし、人生でもっとも発達している乳児期は、からだを動かすためだけでなく、からだを大きくするために食べ物の栄養が重要なのです。この「からだを大きくする」というのは、身長の伸び、体重の増加以外に「脳」の発達とも関係しています。生まれたての赤ちゃんは、脳が300gくらい。それが、4歳頃になると1200gと約4倍になります。1200gというのは、大人の脳と同じくらいの量です。この脳の発達のためにも、栄養満点のごはんを食べさせてあげることが大切なのです。お話を伺った先生榊原 洋一(さかきはら よういち)先生東京大学医学部卒業。医学博士。小児科医。日本子ども学会理事長。お茶の水女子大学名誉教授。小児神経学や発達心理学を専門とし、主に子どもの発達や発達障害に関する研究を行っている。著書も多数。イラスト:achaca
babyco編集部

ひとりひとりDNAが違うから、成長スピードも違います。それは個性のひとつ!赤ちゃんの成長スピードは、本当にひとりひとり違うもの。少し小さめに育ってくる子もいれば、ぽちゃっとしている子もいます。赤ちゃんによって食欲に差があるので、グングン伸びる子もいれば、ゆっくりとスローペースで成長する子もいるのです。歩くようになるのが早い子は8ヵ月ほどで歩けるようになりますが、遅い場合は1歳半くらいでやっと歩けるようになる子も。はじめて言葉を話すのが7〜8ヵ月の子もいれば、2歳になってしゃべるようになる子もいます。生まれたての赤ちゃんはもともと小さいだけに、その差が大きいだけでどちらが遅れているというのでもありません。我が子と隣の子をつい比べてしまうのが親心ですが、発達のときに忘れてはいけないのは「みんな個人差がある」ということ。どれがいい、なんていうのはないので安心してくださいね。お話を伺った先生榊原 洋一(さかきはら よういち)先生東京大学医学部卒業。医学博士。小児科医。日本子ども学会理事長。お茶の水女子大学名誉教授。小児神経学や発達心理学を専門とし、主に子どもの発達や発達障害に関する研究を行っている。著書も多数。イラスト:achaca
babyco編集部

国立成育医療研究センターから「保湿ケアで赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の発症率が低下」との研究成果が発表されました。ここ数年、赤ちゃんのスキンケアの重要性がとっても注目されているんです。
それは大間違い!
赤ちゃんのお肌は一見プルプルしているように見えても、まだまだ未熟なんです。
とくに乾燥する冬は角質が傷つきやすく、乾燥、ほこり、バイ菌、ウイルス、アレルギー物質などの外部刺激に弱くなってしまいます。
これらが肌から入り込んだりすると、湿疹やかゆみ、炎症などの肌トラブルが起きやすくなり、
アトピー性皮膚炎や食物アレルギー発症の原因になることもあります。
肌トラブルやアレルギーから赤ちゃんを守るために、デリケートな肌のバリア機能をスキンケアでサポートすることが大切です。
とってもデリケートな赤ちゃんのお肌をママたちは日頃どんなふうにケアしていますか?
外部刺激からきちんと守ってあげるためには、お風呂できれいに洗うこととしっかり保湿してあげることが基本です。
お湯だけでは皮脂汚れは落ちないので、洗浄料をよく泡立てて、ゴシゴシこすらずやさしく手で洗いましょう。ただし、皮脂分泌が盛んな頭にはヘア専用シャンプーを用いて、指の腹を使ってしっかりと洗いましょう。
トラブルを予防するためにもしっかりと汚れを落とすようにしてください。
お風呂上がりにタオルでやさしく水分を拭き取り、保湿剤を顔と体にたっぷり塗ってあげて。入浴後5分以内に肌がしっとりするくらいたっぷりと保湿してあげることが理想的ですよ。
汚れやすい口まわりや、外気にさらされている手足などは特に乾燥する部分。汚れはきれいに拭き取り、食事や授乳の前後にもこまめに保湿剤を塗り直してあげましょう。
一年中室温は23℃をキープして。暑すぎるのは赤ちゃんにはNGです。
部屋の湿度は40~60%くらいが目安ですよ。冬は暖房で乾燥するので、加湿器を使用したり濡れたタオルを室内に干して、室内の乾燥を防ぎましょう。
直接肌に触れるものは汗を吸い取りやすくチクチクしない素材を選んで。綿素材がおすすめです。
ウールやレースなどの装飾があるものは皮膚を刺激することもあるので気をつけて。
保温下着も避けましょう。
デリケートな赤ちゃんの肌に使うものだから、保湿剤選びはとっても重要です。
全身には伸びの良い乳状ローション、特に乾燥する部分にはクリームと、使い分けるのがオススメ。「赤ちゃん用」「低刺激」と記載されているものでも、はじめて使うものは手などに試し塗りをしてから使いましょう。
また、できるだけアレルギーテストや安全性テスト済みのものを選ぶようにしてくださいね。
今回お話をお聞きしたのは
坂田清美先生
助産師。病院、助産院勤務、新生児訪問等を経て、
現在は首都大学東京で看護学生・助産師学生の指導・育成にあたっている。
babyco編集部

授乳や沐浴、オムツ交換など、基本的なケアについては、入院中に助産師さんからいろいろと教えてもらっていることと思います。
この時期の赤ちゃんは、1日のほとんどを寝て過ごしていますが、その寝顔を見ているだけでもかわいらしくて、飽きることがないですよね。
そんな赤ちゃんの様子を見ていると、いくつか気付くことはありませんか? 赤ちゃんの手のひらに指をあててみるとギュッとにぎってきたり、ふと見ると両腕を万歳のように上にあげて寝ていたり。
赤ちゃんには、生まれながらに持っている反応があって、それを原始反射といいます。どんな反射運動があるのでしょう。
<代表的な原始反射>
♪探索反射(ルーティング レフレックス:Rooting reflex) ほっぺたや口のまわりに何かが触れると、触れた方へ向いて口をあけたり吸い付こうとする反応です。この原始反射があるから、目があまり見えなくてもおっぱいや哺乳瓶の乳首を見つけ出して飲むことができるんですね。
♪把握反射(グラスプ レフレックス:Grasp reflex) 赤ちゃんの手のひらに何かをあてるとギュッと握る反射です。指をあててみてください。握り返してくれてかわいらしいですよ。赤ちゃんはそれが何かはわかっていなくても、とにかく反射的に握ってきます。これは足の指にもある反射です。手の把握反射は他の原始反射と同じように3~4カ月ぐらいで消えますが、足の把握反射は1歳近くまで残ります。足裏の刺激は脳にもいい影響になるので、保温の必要がないときはなるべく裸足で過ごさせて。
♪モロー反射(Moro reflex) 突然光にあたったり、大きな音が聞こえたり、ほかにも驚くようなことがあると、ビクンと大きく体を震わせる反応です。そんなに大きな音ではなくても、赤ちゃんにとって予期せぬことには、この反応がみられます。両手を上にあげて万歳のようなポーズをすることもあります。寝ているときに自分のモロー反射で目覚めてしまうことがあり、それが原因で夜泣きをすることも。寝るときにタオルやおくるみで軽く腕を押さえてあげると、反射の振動が抑えられるので夜泣き防止になりますよ。 ♪吸てつ反射(Sucking reflex) 赤ちゃんの唇にそっと指をあててみてください。きっと吸い付いてくるはずです。これが吸てつ反射。生まれた直後からおっぱいに吸い付くことができるのも、こうした本能があるからです。
♪原始歩行反射(Primary walking) 両脇を抱えて足裏を床に付けてあげると、片足ずつおいっちにぃ、と前に出してまるで歩くような動作をする反射運動です。 ほかにもたくさんの原始反射がありますが、こうした原始反射は生まれたときからあって、生後3~4カ月ころまでにはいつの間にか反応しなくなるものがほとんどです。反応することも、反応がなくなることも、脳の神経伝達の発達が順調かどうかなどの判断になり、健診のときにドクターが赤ちゃんの足裏を押してみたりしながら確認します。反射運動がないことで脳や神経の障害を発見できることもあるんですよ。
もちろん、こうした反射が赤ちゃんにあるかどうかをママがわざわざ確認する必要はありません。特に原始歩行反射などは首の座っていない段階で勝手にママが行うよりも、検診のときにドクターにまかせた方がよいことです。 ただ、原始反射のことを知っておけば、赤ちゃんがビクンと急に反応して、何かの発作だろうか? などと慌てずにすみますから、ぜひ知っておいてくださいね。
【監修】鈴木洋先生
鈴木こどもクリニック(東京都墨田区)院長。信州大学医学部卒業後、東京大学医学部小児学助手、愛育病院新生児科部長を経て現在に至る。ぞうさん先生と親しま(U-CAN)、『やさしくわかる月齢別 育児のきほん事典』(西東社)ほか多数。
babyco編集部














